ひと息ばなし

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2008.08.08

平成 中村座 大歌舞伎

暑中お見舞い申し上げます。なんと暑いのでしょう。
でも、後1ヶ月の暑さなんだと思っていると許せるような気がしませんか。
さて、今回は7/5~7/13まで、まつもと市民芸術館で行われた大歌舞伎「夏祭浪花鑑」のお話です。
なにしろ、信州のいなかっぺの私は歌舞伎なんぞ見たことも噛んだこともない。
友人と一度行ってみたいねと言っていたのですが、おかげさまで千秋楽の13日の券がとれて大喜びで、中村勘三郎さんしか知らないという無知もいいところで出かけました。
開始時間を待つ間、役者さんが観客席の上のほうから下のステージの観客に語りかけたり、握手をしたりして、お祭り気分で降りてきてびっくり!!
えっ、この人誰なの?有名な歌舞伎俳優?と、戸惑いながら見ているうちに始まりました。
筋書きは、島帰りの団七九郎兵衛が、玉島磯之丞を助けるため、人殺しをしてまで義理を通すお話です。その中で一番印象に残ったのは、団七九郎兵衛の親友の一寸徳兵衛の女房のお辰が玉島磯之丞を預かる際、夫に言われて玉島磯之丞を引き取りにきたが、お辰は美人だから磯之丞となにか間違いでもあったら困るではないかと断られて、その美しい顔に火鉢のコテを頬に押し付けて焼くシーンです。断られたその理由が美形で何かあったらどうするかとの問いに、それならと頬に傷をつける勇気。夫に言われたことをどこまでも守ろうとという女の生き様に驚いたり、感動したり・・・。
しばらくしたら、前の観客がごそごそとカッパを着始めました。団七九郎兵衛が磯之丞の恋人を取り戻そうと、笹野高史こと義父の平治との殺戮場面では、ステージに泥の入った池があり、そこで2人がもみ合う激しい場面では、観客席まで泥が容赦なく飛んでくるという、迫力満点の設定でした。
もっと、もっと感激したのは、団七九郎兵衛演ずる中村勘三郎さんの汗が滴り落ちる熱演です。3階から2階、1階とステージ狭しと、飛び歩く姿は観客の心を揺さぶり、まるで自分たちもステージを走ったように息を切らせました。
松本にいて、一流の役者の心意気に触れた気がして友人と2人、大満足の観劇になりました。千秋楽とのことで、一味違ったのでしょうか?
いい思い出になりました。
サイトウキネンフェスティバルも有名ですが、これも松本に定着すれば、松本の町もなおさら元気になる気がします。

トマトも美味しい季節です。

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