ひと息ばなし

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2016.03.01

礼の仕方ひとつでも・・・

先日のことですが、社員の寒中の慰労会を企画してあるホテルへ行ったときのお話です。
午後6時半から開始予定でしたが、集合時間を10分前とし、社員みんながこの初企画にワクワクしていました。だいぶ前から来て待っていた社員もいました。何しろ建設業は、息も凍るような厳冬の中でも一生懸命に工事に携わるのです。このホテルから和牛バイキングのお誘いを頂いたので社長に提案したところ、「よし行こう!」ということになり、さっそく予約をしました。
総勢23名です。若い社員は、「ようし、3日前から絶食しよう」とか、「当日の昼食は食べないでおこう」とか、冗談ではありますが、このバイキングをとても楽しみにしていたのです。
さて、当日は受付で予約確認をし、案内され着席しようとしたところ、6名ほどの席が足りません。つまりテーブルが1つ不足なのです。席がない社員は行き場所がなく立って待っていました。ようやくテーブルとイスが用意されましたが、コップ、ナプキン等が揃いません。係りはうろうろとしているようにみえました。思わずその係りに「あなたねぇ、後ろの席は誰も見えてないでしょ。こちらに移したらどうなの」と言ってしまいました。後ろの座席には誰もおりません。係りはハッと気が付いたように、それを移動し始めました。ようやく席が揃い、立っていた社員が席につきましたが、社員の意気をそぐ結果になったと思います。
また、企画した私も気落ちしたのは言うまでもありません。
そして私以上に社長が怒っていました。「予約してあるのにも拘わらず、これは何なのだ。うちの担当者を呼べ」と言いました。社長は、みんなの喜ぶ笑顔を心待ちにしていたのです。さっそく担当者が来て、社長にお詫びの挨拶をしました。ようやく慰労会が始まり、係りの方の気配りでビュッフェ形式だったのですが、和牛寿司やステーキをテーブルに運んで頂くサービスして頂きました。みんな、いろんな料理や飲み物を頂き、満足した顔をしていました。女性群は一足先に帰ることになりました。係りの方が見送りに来て、すまなそうな顔をして一礼をされ見送って下さいました。
その時の一礼は、私にとって印象に残るものでした。
たかが一礼・・・されど一礼です。
その姿の中には、「今日はありがとうございました、申し訳ございませんでした」と言葉ではなく、その思いが全身に溢れている一流の礼でありました。

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