ひと息ばなし

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はっぱイラスト はっぱイラスト

2012.10.19

オーイ!待って待て、ちょっと・・・

秋は運動会シーズンです。
孫のいる岡谷市のある小学校の運動会から帰ろうとした時のびっくりしたお話しです。
普段は、運動会を見に行けないのですが、今回は、孫のはなちゃんが、リレー選手の選抜候補に選ばれ、家族に喜んで話したものですから、ママから「みんなに話したんだから、何倍も頑張りなさい!」とはっぱをかけられました。数日して、はなちゃんが意気揚々と家に帰って来て「ヤッター!300倍頑張ってリレ-の選手になったよー!」と言ったそうです。こんなに頑張ったはなちゃんを一目見ようと、運動会に出掛けました。はなちゃんは、凛凛しく走り、私たちにも手を振り、とても嬉しいひとときでした。お昼に手作りのおにぎりやごちそうを頂き、校庭を後にしました。
車を小学校から歩いて20分程の娘の家に置いてきたので、歩いて帰っていました。秋の穏やかな日差しの中、稲刈りをしている田んぼを見ていました。道の反対側は、国道が走っていて、ガードレールがあり、歩行者のために車が歩道に入れないようになっています。車の通りも多く結構なスピードです。
何気なく、国道に目をやると、車が走っている中、小さな男の子が一生懸命走っているではありませんか。わが目を疑いました。「エっ!、なに何?え?・・・ママは?家族は?えぇ!誰もいない、どうなっているの・・・」2、3歳の子が国道を走っている・・・どういうことでしょうか。
とっさに、ひかれたらどうしょう、大変なことだと思い、今来た道を逆に男の子追いかけ走りだしました。「ちょっと、ちょっと、ボク、待ってよ、ママはどうしたの!どこからきたの?危ないから歩道に来なさい、ちょっと待ってよ」自分の膝の痛さも忘れて必死です。歩道に上げようと言葉をかけますが、彼は一生懸命走っているのです。「小学校に向かって走っているのかしら?でも小学校までは、結構距離があるし・・・」と考えながら、「おばちゃんがママの所に連れて行くから」とボクに言って、やっと歩道に引き上げました。それでも走ろうとするボクに手を繋がせて「ボクのおうちはどこなの?パパは?ママは?」と繰り返し、ボクの指さす方へお家探しです。
ボクの言うまま、長い時間探しましたが、2、3歳のおむつを当てているような子ですので、まともに説明できる訳でなく、私も疲れてしまいました。主人が車を取りにいってる間に通りの住宅街の方に、「このお子さんご存じないですか?」と聞いたりしていたら、1台の車が止まり、ご老人が、「私たちもこの住宅街を走っているその子を見て、一体どうしたんだろうかと気にしていました。保護してくれてありがとう」と言われました。だいぶ前から走っていたようなのです。
結局、警察に通報して保護してもらいましたが、警察を待っている間、疲れたのでしょう、私の腕の中で寝てしまいました。私はすっかり情が移って、警察官に渡すとき泣いたボクを見て、後髪ひかれる思いでした。後からボクのママからお礼の電話を頂きました。ボクは1人でお家で留守番していたようで、お兄ちゃんの運動会に向かって走っていたようです。6人兄弟の5番目だそうで、たくましく育っているようです。
でも、国道を走っていて、何事もなく本当によかった・・・

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