ひと息ばなし

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2011.02.05

いろんな人生

2月になり、今年も12分の1が過ぎました。
なんて速く月日は通り過ぎていくのでしょう。

14年ほど前に当社で介護住宅 ゛あんしん゛を発売いたしました。
これは、昔は、母屋や離れがあり、老いたご夫婦などは、余生を離れでゆったりと過ごしたものですが、時代は変わり、介護する人もされる人も楽にできるように提案されたお手頃価格の介護住宅です。
この住宅のパンフレットを松本城にて当社の社長と一緒に企画を立てたKさんと配りました。パンフレットをご覧になり問い合わせを頂いたY様は、定年を迎えたということで、この介護住宅「あんしん」をもとに家を建てたいというお話があり、当社で設計施工致しました。そのY様の奥様から、先日お便りを頂きました。封書で手書きの美しい文字で書かれてありました。
゛中略 建ててくれた住宅は、ガッチリとした素敵ないい家だと来る人が口々に言って下さったので本当に自慢でした。また、建築のセ-ルスマンにもなかなかない素晴らしい住宅だと感心され、優越感の家でした。しかし、家族の都合により、この家を手放すことになりました。このことを建てて頂いた御社に伝えないといけないのではないかと一筆したためました゛と書いてあり、この家に対する愛情と思いが胸の奥までひしひしと伝わり、しばらくの間、呆然としてしまいました。さっそく、Y様にお手紙を書きました。
当社で設計施工した住宅を今まで慈しんで大切にして下さった御礼と、どうか前向きに、この決断がいつかこの転機を乗り越えていかれることをお祈り申し上げますと書きました。また、このお手紙に当社の社長が村井町商工親和会の会長をしていて、村井町商工親和会が村井のお米で造った`夢来゛という生酒と信州名産の塩羊羹をお送り致しました。
この夢が来るお酒をご夫婦で飲んでいた頂き、明日に向かって元気を出して頂くようにと添えました。そして、今、贈り物が届きましたとお電話を頂き、元気をもらって、これからは明るく前向きに出発するとおっしゃられて、今までのいきさつを話して下さいました。
家族の都合で家を失うことになった70歳を過ぎたご夫婦にも拘わらず、前向きな姿勢に、凛とした意志を感じ、改めてご家族愛の深さに心打たれました。

これが今年の最初の深い感銘を受けた一息ばなしです。

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