ひと息ばなし

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2008.11.12

増えていく介護・・・

昨日、長野朝日放送でドキュメンタリ宣言“消えゆく妻の記録”認知症の南田洋子さんを介護する夫、長門裕之の献身愛の記録という番組がありました。
画像の中の南田洋子さんは75歳、看病する長門さんは74歳です。日中はお手伝いさんがお世話をしていますが、夜は長門さんが彼女のおトイレや夜食を作っていました。長門さんが妻である洋子さんの異変に気がついたのは3年前だそうです。セリフが覚えられなくなったといって、夜泣きながら二人でセリフを何回も何回も繰り返したのだそうです。その時は無事に収録したのですが、しばらくして「セリフが覚えられないから女優をやめたい」と静かにおっしゃったそうです。思い出をかき集めて両手にのせるのですが、指の間からどんどん落ちて行ってしまうと言っておられました。この状況が長門さんにようやく理解でき、やっと、本人を納得させて病院に連れて行く決心がついたというところまでのドキユメンタリでした。
厚生労働省の試算によると2015年には高齢者世帯が2089万世帯になるとのことです。10年間で369万世帯の増加ということです。お年寄りの一人暮らしや老夫婦二人暮らしの世帯がそのうちの1200万世帯ということだそうです。現実の問題、途方にくれる世帯数です。こうしたお年寄りが暮らしている住宅は3点セットのバリアフリ-として、手すりの設置、段差解消、幅広い廊下が導入されている住宅は、6.7%しかないと言われます。現実は、まだまだ浸透していないのが現実のようです。
若い人もいつかは老います。今、現在、健康な中年の方も、元気はつらつな高齢者も、永久ということはありません。今は、元気なご自分の親も、いつかは子供に支えてもらわないといけないときがくるのです。また、支えなければなりません。
当社も、数年前にあんしん住宅を提案させて頂きました。ワンル-ムに玄関やキッチンや風呂やトイレを設置しお年寄りにもやさしい、生活支援の住まいづくりに取り組んだ住宅です。日本の住宅は、昔は離れがあり、高齢者はその静かな離れで余生を送りました。老人のプライバシ-も大切です。老いた方々の友人や来客も自分の部屋でコミュニケ-ションを取れたらいいですよね。こんな離れがあってこそお互いの関係もスム-ズにいくのかもしれません。息詰まるようでは長続きしません。家族はつかずはなれずの生活は理想的なのかもしれません。
今、田辺聖子さんの小説“姥勝手”を読んでいます。これは、平成7年に森繁久弥さんがNHKで朗読されていて、あまりの面白さにCD発売を望んでいたのですが発売なりませんでしたので、取り寄せました。内容は80歳の老人の女性がマンションを借りて1人暮らしをするというものです。老人には老人の楽しみ方や自分の暮らしがあり、自分の子供の一人暮らしをしている母親に対する気持ちが面白おかしくて思わず笑ってしまいます。また、はつらつとしている老女に乾杯です。人生、楽しく過ごしたいとこの本を読んでいて思います。
さて、ミニトマトつまもうかな。

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