ひと息ばなし

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はっぱイラスト はっぱイラスト

2009.04.01

花を生けるこころ

花を活けるとき、なにかわくわくします。始めから、こんな言葉から始めると、私をご存じの方は以外に思われるかも知れませんが・・・
例えば、部屋の雰囲気や照明の美しさや、デザイン性をアピールするとき、花ひとつで、花が一本あっただけで雰囲気が変わります。要は、目的にあった花の生け方だと思います。私の基礎は、新派青山流です。今は、自己の感性で活けています。
花器を決め、花の美しさを認めてハサミを入れます。
花器は、いろんなものをアレンジします。墨壺であったり、吸須であったり…今のお気に入りは,和紙です。桜の花びらが舞っているものや、スミレの花びらが貼られている和紙です。先日、新築の建物に花を活ける機会がありました。和風住宅で、入ったとたん、おっ!日本の住宅という、嬉しい造りです。
旧家にあったさまざまの品々が盛り込まれていて、ほっとする気さえいたします。例えば、すりガラスや、組子や、古材やつけ鴨井の飾り等…
そこで、お座敷の出窓に、庭の椿の花を一輪和紙の花器を作り、飾りました。
来た方に あら!素敵ねと褒められて、思わず嬉しくてニンマリ….
ここの庭にあった椿の花を1週間前より頂き、今日の日のために咲くように調整しましたら、椿は当日、見事に咲いてくれました。庭の椿のつぼみはまだまだしっかり硬くて咲きそうにありません。玄関には、椿の赤と、雪柳の白とが調和して、漆の花器に納まり、お客さまを出迎える雰囲気が伝わるような気さえしました。
決して花は主張しているわけではなく、お客様をお迎えする気持ちと、その場所をアピールするための手段と思っています。そして、花に敬意を表し、本物の生きた花との会話しながら、美しいねとほめたたえながら活けることの楽しさは、自然と付き合うことのできる貴重な時間かもしれません。
これから、花の季節、庭の木々、花屋さんの花々、畑の菜の花、そうそう、穂高のお客様の家には、一面のしらね葵の白い花が咲き始めているころでしょうね。奥様のお顔を拝見にお茶菓子を持って伺いましょうか。楽しみです。

さてトマト食べるかな。

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